情報を得るときには、それが正しいものかをその根拠(ソース)を確かめるのが重要です。
学術論文は、もっとも信頼できる情報ソースの1つです。
インターネットの発達とともに、
「情報の質の重要さ」が注目されるようになっています。
その結果、学術論文は、研究者や技術者だけでなく、
一般の方も英語論文を読めるといいなぁと思う場面が増えてきているのではないでしょうか。
学術論文のほとんどは、英語で書かれた英語論文になります。
論文といっても、いろいろな種類がありますので、
- 論文とは?どんなものがあるの?
といった方には、以下の記事もございます↓
『「学術論文」とは?文献や学術雑誌との違いについてまとめました』
一般の方や、学生さんなど、
初めて論文に向き合うことになった方は、
英語論文を読むのに高いハードルを感じる方も多いのではないでしょうか。
そういった中でも、
- 興味ある内容を調べていたら学術論文に行きついた
- 英語論文を効率的に読みたい
- 学術論文はどうやって書けばいいの
など、学術論文とうまく付き合いたい方が多いかと思います。
英語論文とうまく付き合うには、いくつかのポイントがあります。
過去の記事で、それらについてサクッとまとめました。
- 英語論文に頻出する「英単語」を攻略したいあなたはこちら↓
『医学論文の英語の単語を学びたいあなたにおすすめの勉強法や本、辞書はこちらです』
- 英語学術論文に頻出する「使える英語表現」を知っておくと読み・書きやすくなります↓
『「英語論文」の「使える表現」を学んで、学術論文をサクッと読み書きしたいあなたはこちらをどうぞ』
これら以外にも、
英語論文の読み・書きをスムーズにするには、
- 「論文の構成」を知っておく
ことが役立ちます。
特に、英語論文を執筆する際には、
英語論文の構成を理解し、
テンプレートやフォーマットを参考にし、
研究内容を埋めていくことで、
ある程度適切な論文の初稿を作成することができます。
そこで本記事では、
論文をサクサク読み書きできるようになりたいあなたのために、
「論文の構成」についてサクッとご紹介します。
本記事の概要
「英語論文」の「構成」とは?テンプレートやフォーマットを学び、効率的に読み・書きしたいあなたはこちらをどうぞ
論文の構成とは
論文は、研究内容を正確に伝える必要があります。
なので、構成・書き方が決まっています。
構成を知っておくことで、読みやすくなります。
つまり、構成を知っておくと
- 「PECO ( PICO )」を探しやすく
- 要約しやすく
- 理解しやすく
なります。
PECO ( PICO )は医学論文を要約する方法です。
ご興味のある方は、詳しくはこちらをどうぞ↓
『『「医学論文」の読み方で役立つ「PECO」とは?PECOの使い方や注意点もまとめました』』
例えば、医学系論文の構成には、
一般的には「バンクーバー方式」という型が使われています。
ただし、各学術雑誌が定めている投稿規定によっては、別の構成になっている場合もありますのでご注意ください。
以下では一般的な論文構成についてご紹介します。
学術論文の構成とは
論文構成は主に以下の9点からなっています。
- タイトル(Title)
- 要約(Abstract)
- はじめに・緒言(Introduction)
- 対象と方法(Material and Method)
- 結果(Result)
- 考察(Discussion)
- 結論(Conclusion)
- 謝辞(Acknowledgement)
- 文献(Reference)
論文構成の全体的な特徴
4の”対象と方法“と、5の”結果“を述べることで、
研究内容の主要な情報をまとめています。
これらの前の3の”はじめに”で研究背景を述べます。
またこれらの後の6の”考察“で、さらなる議論をしたり、今後課題となりそうなことなど、内容を深めていくことができます。
このように、論文の大枠は、
研究背景 → 方法と結果 → 議論と今後
のように合理的な流れになっていることがわかっていただけるかと思います。
以下で、それぞれのパートについて、サクッと解説していきたいと思います。
学術論文の各パートの内容とポイントについて
1, タイトル
タイトルには、以下の目的があります。
- 研究内容に重要なポイントが伝わる
- できるだけ多くの方に読まれるように興味を引くもの
- 理論や実験方法を書いて、読み手が調べる手間を省く
といった工夫がなされています。
2, 抄録・要約(abstract)
抄録・要約も、タイトルとともに、
読者が読むかどうかの判断材料になります。
抄録は、どの学術論文も投稿規定で文字数が決まっています。
その文字数に収まるように、研究の背景・方法・結果・結論がまとめられています。
3, はじめに・緒言(Introduction)
ここでは研究背景がまとめられています。
過去の研究をまとめながら、自分の研究目的を示唆れています。
- 過去にどこまで明らかになっているか
- この研究では何を明らかにするか
こういった点がまとめられています。
4, 対象と方法(Material and Method)
ここでは、研究した対象と、研究の方法がまとめられています。
- 教科書レベルのことなどは書かれません
- 同じ分野の専門家が読んでも再現できるくらいの情報がまとめられる
といった特徴があります。
医学論文で多い手法「医療統計」についてはこちらがございます↓
『「医療統計」を基礎から入門したいあなたにおすすめの良書、8冊はこちらです』
5, 結果(Result)
その研究で得られた結果がまとめられています。
結果は、文章で伝えたり、図や表で伝えるやり方があります。
結果で述べられる内容は、すべての研究結果ではなく、
論文の主張について特に重要な内容がまとめられています。
(結果に述べられない実験結果などもあります)
6, 考察(Discussion)
考察では、上の研究結果を踏まえて、
- 研究結果の意義・他研究との関連や比較
- 手法の限界
- 今後の展望
などがまとめられます。
7, 結論(Conclusion)
結論では、研究結果を端的にまとめて書かれています。
本文を読んだ後で読む部分なので、
アブストで示されている結論よりも、より具体的な内容であることが多いです。
短い論文の場合には、結論は考察の最後にサクッとつけてある場合もあります。
8, 謝辞(Acknowledgement)
研究を進める上で、協力いただいた方が書かれています。
- 助言や指導をいただいた方
- 研究機器などでお世話になった方
- 論文原稿をレビューしてもらった方
などが書かれることが多いです。
また研究資金元も書かれます。
9, 文献(Reference)
研究で参考にした文献のリストをまとめます。
- 過去の学術論文
- 学会抄録
- 書籍
- (場合によっては)インターネットサイト
といったものなどが含まれます。
文献とは?について知りたい場合にはこちら↓
『「学術論文」とは?文献や学術雑誌との違いについてまとめました』
このほかに、
理論の論文などでは、数式展開や証明などが、
付録(Appendix)として付け加えられる場合があります。
この場合には、8, Acknowledgement と 9, Reference の間に書くことが多いです。
というわけで、本記事では、
論文をサクサク読み書きできるようになりたいあなたのために、
「論文の構成」についてサクッとご紹介しました。
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