「医学論文」など「英語論文」の「書き方」のマニュアルとは?学術論文をサクッと英語・日本語で書きたいあなたはこちらをどうぞ

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学術論文」は、信頼性の高い情報源の1つです。

医学系の学術論文は、健康との関わりが深く、

一般の方にも関心の高い分野になっています。

 

日々多くの学術論文が出版されています。

研究者は、研究を行ったら、その成果を発表します。

その方法の1つが学術論文の執筆になります。

しかし研究者の仕事のうち、

学術論文の執筆は、重要な仕事にもかかわらず、

求められる業務のうちのほんの1部に過ぎません。

研究者を目指す大学生や大学院生の方など、

論文を効率的に書けるようにしておくことは、とても重要です。

 

ちなみに研究者の仕事には、主に以下のものなどがあります。

  • 研究プランの企画・企画書の作成と応募
  • 資金獲得
  • 研究設備・機器の調達や維持・管理
  • 研究の実施
  • 研究成果の学会発表・学会運営
  • 学術論文としての公開
  • 同じ分野の論文のピアレビュー
  • 研究室のスタッフや学生の指導・教育

この他にも大学の教員の方であれば、

  • 大学での授業・テストの採点
  • 大学の管理・運営などの業務や入試業務

といったものも加わってきます。(他にも地域貢献や企業との共同研究・特許出願といったものもあります)

 

というわけで、学術論文を書くというのは、

研究者の仕事の中のごく一部です。

論文を書く時間は限られており、

学生のうちに論文を効率的に執筆していく書き方(マニュアル)を身につけておくことが重要です。

 

 

本ブログではこれまでに、

英語論文をサクッと読めるようになるために、

以下の記事をまとめてきました。

実は、読み方をよく知っておくことで、

論文の書き方にも応用が利きますので、

ここでご紹介しておきますね。

 

  • 英語論文をサクッと理解する読み方をまとめました。論文を書く場合には、読み手がどのようによくかを知っておくことで、より読みやすい論文を書くことができます。↓

「英語論文」の「読み方」とは?医学論文など学術論文をサクッと読みたいあなたはこちらをどうぞ

 

  • 英語論文の構成を知ることで、サクッと読み書きできます。論文を書く場合には、構成を知っておくと、それぞれの構成を別々に書いていくことで効率的に論文執筆が進みます

「英語論文」の「構成」とは?テンプレートやフォーマットを学び、効率的に読み・書きしたいあなたはこちらをどうぞ

 

  • 英語論文に頻出する「英単語」を攻略したいあなたはこちら。基本的な英単語を知っておくとよりスムーズに論文執筆が進みます↓

医学論文の英語の単語を学びたいあなたにおすすめの勉強法や本、辞書はこちらです

 

  • 英語学術論文に頻出する「使える英語表現」を知っておくと読み・書きやすくなります↓

「英語論文」の「使える表現」を学んで、学術論文をサクッと読み書きしたいあなたはこちらをどうぞ

 

  • 論文内容をサクッと要約して理解できる方法「PECO(または PICO)」についてまとめました。論文を書くときもPECOを意識しながら論文にしていくと、論理的な構成にしやすくなります。↓

『『「医学論文」の読み方で役立つ「PECO」とは?PECOの使い方や注意点もまとめました』』

 

というわけで、本記事では、

これらの内容を踏まえながら、

より実践的な、英語論文の書き方をご紹介します。

 

本記事の概要

「医学論文」など「英語論文」の「書き方」のマニュアルとは?学術論文をサクッと英語・日本語で書きたいあなたはこちらをどうぞ

英語論文の書き方のポイント

英語論文を効率的に書くには、

  • 論文の構成を知っておくこと

が役立ちます。

 

さらに、以下の2点に気をつけることがポイントです。

  • 英語論文の各部分を書く「順番
  • 英語論文の構成の「各部分の書き方

 

このうち、各部分を書く順番については、

あなたがその分野にどのくらい前提知識などがあるかによって変わってきます。

  • その論文の専門外の方
  • その論文の分野の専門家の方

では、書き方はまったく違います。

また専門家の方であれば、ここで書き方を学ばなくても、すでに書きなれておられるかと思います。

 

なので、ここでは、

  • 英語論文をほとんど書いたことがない
  • 英語論文を効率的に書けるようになりたい

といったあなたが、より効率的に、サクッと書けるようになる

英語論文の書き方の1例をご紹介します。

 

初心者が英語論文をサクッと書く方法

英語論文をサクッと書くには、「適切な順番」があります。

論文の構成を意識しておき、

書いていく順番を工夫することが役立ちます。

 

書けるところから書きはじめる

論文の内容は、

  • 結果が出ないと書けないところ
  • 結果が出なくても書けるところ

の2種類があります。

研究がある程度進んだら、書けるところから書いていくようにすると効率的に執筆が進みます。

 

具体的にすぐに書ける部分について、

論文の構成を見ながら示します。

論文構成と、すぐに書ける部分とは

論文構成は主に以下の9点からなっています。

  1. タイトル(Title
  2. 要約(Abstract
  3. はじめに・緒言(Introduction
  4. 対象と方法(Material and Method
  5. 結果(Result
  6. 考察(Discussion
  7. 結論(Conclusion)
  8. 謝辞(Acknowledgement
  9. 文献(Reference

 

このうち、先に書ける内容としては、

  • 2, はじめに・緒言
  • 3, 対象と方法
  • 9, 文献

があります。

 

  • 「はじめに・緒言」の書き方

緒言では、研究の背景についてまとめます。

これまでの重要論文の引用をしながら、時系列にまとめていくことが多いです。

  • なぜ本研究を行うか
  • 自分の研究の着想に至る理由
  • どこまで分かっていて、本研究では何を明らかにするのか

といった点を、読者が自然と理解できるようにまとめていきます。

これらは研究を始める前や進行中でも書ける部分になっています。

 

  • 「対象と方法」の書き方

対象や方法は、研究計画を立てた時点で(ある程度)決まっている部分かと思います。

数字や詳細な部分はおいといても、

大まかな対象や方法を一通り書いておくと、

後で詳細な部分を推敲するだけでよくなります。

 

  • 文献の書き方

文献は、緒言の研究背景をまとめる時に、多く引用します。

また、研究対象や研究方法についての部分でも引用が多くなります。

緒言も研究対象や方法も、最初から書きやすい部分なので、文献も一緒に書いていくことが可能です。

 

 

 

文献の管理をラクにしてくれるソフト

ちなみに、論文にもよりますが、1報の論文で100程度の文献を示すこともあります。

そうすると、文献の管理だけでも一仕事になります。

文献の管理や、文献リストを作成し、論文執筆を効率的にしてくれるソフトがあります。

【国内正規流通品】ユサコ EndNote X9 英語版 CD-ROM ( Windows / Mac ) 論文作成支援ソフト

学生版もございます↓

解説本もございます↓

便利な点は、

  • 論文雑誌の情報や全文pdfをダウンロードでき、サクサク閲覧できます

関連論文などをあらかじめダウンロードしておき、管理しておくことができます。またサクサク閲覧することも可能です。

  • 論文執筆時に参考文献リストをサクッと作成できます

Wordを使って論文執筆を行う場合には、EndNoteと連携できます。EndNoteに取り込んでおいた書誌情報をドラッグ&ドロップでWord内に追加できます。本文中の引用と参考文献リストを自動的に作成できます。

  • 投稿先にあわせて、文献の体裁を自動で変更できます

投稿先のジャーナル用に参考文献の体裁を一発変換してくれます。投稿先の変更をした時にも、一発で変換できます。作りなおす手間が省けてうれしいですね。

何かわからない場合には、テクニカルサポートもあります(会員登録・シリアル番号が必要です)。

 

これらのソフトを使っておくと、

  • あの文献どこいった?
  • 文献リストの作成が大変だなぁ
  • 投稿先を変えたいけど、体裁を全部変えなきゃ

といったところをサクッと自動的にやってくれます。

ぜひ1度使用を検討されてはいかがでしょうか。

 

 

 

研究を進めながら執筆できる部分

研究を進めながら、

結果を1つずつまとめていきます。

結果を示すには、図や表などにまとめながら、

それについての文章を書いていきます。

結果がいくつか集まってきたら、それらから何がいえそうか、結果の解釈をしていきます。

大学生や大学院生の方は、指導教官や先輩と相談しながら、結果を解釈するようにしましょう。

これらは進捗が出るごとに追記していくと良いかと思います。

 

結果が出揃ってきて、論文としての内容ができたら、

結果のストーリーを考えながら、整理していきます。

これまで書きためてきた部分の順番を入れ替えたりしながら、

論旨がより伝わりやすいようにまとめ直します。

結果の内容が書けたら、考察や結果、謝辞をまとめて、

論文の初稿としましょう。

 

 

執筆後の流れ

  • 指導教官によるチェック

初稿ができたら、指導教官に添削してもらうことが多いかと思います。

初めて書いた原稿はほとんどが書き直し、ってこともありますが、

誰でも必ず通る道なので、ショックを受けないようにしましょう。

 

  • 英語のネイティブチェック

指導教官も納得する論文に仕上がったら、

英語論文の場合には、英語のネイティブによる

ネイティブチェックをする場合があります。

英語の細かなところで変な使い方がないかをチェックします。

研究室や職場に英語のネイティブがいたら、見てもらいましょう。

 

  • 添削・校正・翻訳サービスの使用

もしいなければ、専門の添削・校正・翻訳サービスを提供してくれる業者さんもありますので、

先輩や同僚などに相談してみると良いかと思います。

単なる英語のネイティブでなく、

専門的な知識を持つネイティブが添削などを行ってくれます。

 

 

 

添削サービスの使用・料金など(私の場合)

私の場合ですが、参考までに内容や料金などを書いておきます。参考になれば幸いです。

 

私は複数の会社さんに依頼したことがありまして、

どれも指導教官に紹介していただきました。

添削サービスの料金体系では、

  • 「△ワードごとに〇〇円」
  • 「添削1語につき〇〇円」

といったものがあります。

前者の場合は、論文の量に比例して料金が高くなり、

後者の場合は、添削された単語数に応じて料金がかかります。

  • 間違いが多いかもという場合には、前者
  • かなり仕上がっている場合には、後者

のタイプを使うのがコスパが良いかと思います。

 

かかった料金(私の場合)

レター論文の場合で、約3万円

フルペーパー論文で、約10万円です。

 

誰でもこのくらいかはわかりません。

  • 上で説明した料金システムの違い
  • 添削に出す前にネイティブの同僚などにネイティブチェックをしてもらった場合

などで最終的な料金が変わるかと思います。

 

添削された内容について

私の場合ですが、主な添削箇所は、

冠詞や名詞の複数形などがほとんどでした。

the+単数系とthe+複数形の使い分けなどの添削部分が多かったです。

添削単語数で料金が上がるのもあるのですが、

なんでここが添削されてるの?

といった部分がなきにしもあらずでした(自分の理解が足りない可能性も大いにあります。)。

 

 

添削を減らすための対策

論文の初稿から、投稿先への投稿までには、

  1. 指導教官や先輩による添削
  2. ネイティブチェック(業者さんに依頼する)

の2通りの添削がありえます。

 

また、英語の論文執筆で重要なポイントは、

  • 論理的な文章力
  • 学術論文用の英語力

の2点になります。

 

学生さんは、最初は指導教官に提出した段階で、かなり添削されるかと思います。

論理展開や、英語表現をバサバサ修正されるかと思います。

ここで凹んでしまわないようにしましょう。

指摘された点をしっかり理解して、次回からの執筆に活かしていくことが大事です。

 

論文として重要な点は、論理的な文章力です。

論文の型や表現はおおよそ決まっているので、

それらを身につけて、

論理的なストーリー展開にうまく活用できる能力を磨いていきましょう。

 

 

 

 

スムーズに論文執筆をする「英語力」の準備としては、

以下の点ができていると良いかと思います。

  • 大学受験までの「英文法」をしっかり使える
  • 学術論文用の「英語表現」や「頻出構文」の使い方をきちんとマスターする
  • 「論理展開」をきちんとできる。「論理展開を示す接続詞」などをしっかり使える

といった点ができていれば、大きな添削にはならないように思います。

 

こちらの記事もございます↓

医学論文の英語の単語を学びたいあなたにおすすめの勉強法や本、辞書はこちらです

 

「英語論文」の「使える表現」を学んで、学術論文をサクッと読み書きしたいあなたはこちらをどうぞ

 

「英語論文」の「構成」とは?テンプレートやフォーマットを学び、効率的に読み・書きしたいあなたはこちらをどうぞ

 

 

 

 

ここまでで、

英語論文の効率的な書き方の流れや順番をご紹介しました。

ここからは、英語論文の構成の各部分のそれぞれの書き方について、

  • 何に注目するといいか
  • どんな点に気をつけるといいか

といった点をご紹介します。

1, タイトル

タイトルには、以下の目的があります。

  • 研究内容に重要なポイントが伝わる
  • できるだけ多くの方に読まれるように興味を引く
  • 理論や実験方法も書いて、読み手が調べる手間を省く

学術論文は読んでもらってナンボな面があります。

なので、

  • 少しオーバーな表現
  • 抽象的な表現
  • より広範囲の研究があるかのような表現

を使われる場合もあります。

しかし学生さんなどは、あくまで客観的に書くことをおすすめします。

 

 

2, 抄録・要約(abstract:アブスト)

抄録・要約は、論文の全体像をサクッと伝えるものになります。

また、読者は、タイトルとアブストを読んで、

論文の詳細を読むかどうか判断します。

なので、とても重要な部分になります。

アブストは、文字数制限内におさまるように、

研究の背景・方法・結果・結論を要約して書きます。

抽象的になりすぎずに、重要な数値などの情報を入れて、

具体性も持たせるようにしましょう。

 

 

3, はじめに・緒言(Introduction

緒言では研究背景をまとめます。

過去の関連研究をまとめながら、

自分の論文での研究目的を示されます。

  • 過去にどこまで明らかになっているか
  • この研究では何を明らかにするか

こういった点を明確に示しながら書くのがポイントです。

この研究目的をしっかり示しておくことはとても重要ですので、丁寧に記述しましょう。

研究目的は、イントロの最後の方のパラグラフ(段落)に書いておくと、

次の対象や方法との接続がスムーズになるかと思います。

 

 

4, 対象と方法(Material and Method

ここでは、研究した対象と、研究の方法をまとめます。

  • 同じ分野の専門家が読めば再現できるくらいの内容を書きます。
  • 教科書レベルのことは書く必要はありません

簡潔に書くことを意識して、基本的なことをくどくど書かないようにしましょう。

学術雑誌の限られたページの中で、

  • 専門家が再現できる必要最低限の情報を書く

という意識を常に持っておくことが重要です。

(詳しく書きたい場合には、論文の本文でなく、添付情報として別エリアに記述するようにしましょう)

 

 

 

5, 結果(Result

研究で得られた結果をまとめます。

まとめ方には、文章で伝えたり、図や表で伝えるやり方があります。

学術雑誌の限られた紙面を有効に使うため、

  • 文章で示した結果は、図や表にはしない
  • 図や表で示された結果は文章で書かない

のように内容が冗長にならないように気をつけましょう。

結果では、すべての結果を書く必要はありません。

論文の主張について重要な結果を、分かりやすい順番で整理した上でまとめていきましょう。

 

 

 

6, 考察(Discussion

考察では、結果を踏まえて、

  • 他論文との関連や比較
  • 今回の研究方法の適用範囲や限界
  • 今後の展望

などをまとめます。

結果の部分は客観的な記述を書きますが、

考察には主観的な記述を加えることも可能です。

結果からどのような解釈ができそうか、結果をどう理解しているか、など著者の解釈などを書くことができます。

 

 

 

7, 結論(Conclusion)

結論には、研究で得られら成果と主張をまとめます。

結論は、アブストにも短く書きますが、

結論では、成果と主張がより具体的にしっかりとまとめます

  • どんな対象に
  • どんな方法で
  • 何をしたら
  • どうなった
  • これをこう解釈できる

といったことを簡潔にまとめます。

 

 

8,  謝辞(Acknowledgement

謝辞には研究を進める上で、協力いただいた方を書きます。

  • 助言や指導をいただいた方
  • 研究試料・機器などでお世話になった方
  • 論文原稿をレビューしてもらった方

などを書きます。

書く場合には、相手に了承を得るようにしましょう。

加えて、科研費など、研究資金の出資元もここに書きます。

 

 

9, 文献(Reference

文献では、研究で参考にした文献のリストをまとめます。

文献には、一般的に

  • 過去の学術論文
  • 学会抄録
  • 書籍
  • (場合によっては)インターネットサイト

といったものなどが含まれます。

他の論文に詳細に書かれている部分は、

自分の論文で書く必要はなく、

参考文献を示しておいて、こちらを見てくださいとします。

 

ちなみに、文献とは?について知りたい場合にはこちら↓

「学術論文」とは?文献や学術雑誌との違いについてまとめました

 

 

付録(Appendix)

このほかに、

理論の論文などでは、数式展開や証明などは、

付録(Appendix)として付け加えましょう。

付録は、8, 謝辞(Acknowledgement) と 9, 文献( Reference) の間に書くことが多いです。

 

 

 

 

 

というわけで、

本記事では、

英語論文の構成を活用した、

より実践的な英語論文の書き方をご紹介しました。

 

 

 

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