- 医療統計を学びたい
- 医療統計のデータ分析を実行したい
- どんなソフトがあるの?できればフリーソフトある?
といったあなたのために、
本記事では、医療統計をサクッと実行できるソフトの1つ「EZR」をご紹介します。
本記事の概要
医療統計をサクッとできるソフトのおすすめ「EZR」について特徴や使い方などまとめました
「EZR」とは?
「EZR」は、医療分野で必要となる統計解析を、
初学者でもつまずかず使える、フリーの医療用統計解析ソフトです。
EZRは、自治医科大附属さいたま医療センターで開発・管理されているソフトで、医療統計の論文にも使われている信頼できるフリーソフトと言えます。
EZRは、Easy R の略でして、
フリーの統計解析ソフトの「R」に、マウスでポチポチしながら操作するための「Rコマンダー」の機能を追加し、
さらに医療統計でよく使う解析手法を手軽に使えるようにしたソフトになります。
エクセルを使うような感じで、マウスでポチポチしながら、医療統計を気軽に実践できるソフトになっています。
気軽に使えると言っても、ソフトの使い方がシンプルで使いやすいという意味でして、
医療統計解析自体の知識や、統計学などの基礎知識などは別途学んでおくことが必要です。
そこでまず、PCにEZRをダウンロードして使うために手順を示した後で、
統計学や医療統計をサクッときちんと学べる書籍をご紹介いたします。
【EZRの使い方を手取り足取り学べ、医療統計をサクッと実行できる1冊】
初心者でもすぐにできるフリー統計ソフトEZR(Easy R)で誰でも簡単統計解析
本書は、EZRの開発者である神田善伸先生が書かれた、医療従事者が、統計解析をゼロから実践できるようになるための1冊です。
本書では、EZRの1つひとつの操作を、PC画面のキャプチャを示しながら、わかりやすく解説してくれています。
普段忙しい医療従事者が、統計解析を行うハードルを限りなくさげて下げてくれています。
扱っている例題が医療に関係するものなので、統計解析とその実践方法を学ぶと同時に、
現場で出会う例を使いながら学べるので、統計分析を身近に感じれるのではないでしょうか。
代表的な分析例が載っていますので、
自分がやりたい解析と似たものを探し、その手法の特徴や使い方をマネるといった、
独学でもわかりやすく学べる、辞書的な使い方も可能です。
- 新しい治療法と従来の治療法はこの患者さんにはどちらがよさそうか?
- この検査はほんとうに役立つのか?
など、日常のさまざまな疑問について、統計解析を行いながら自分で判断できるようになる1冊です。
また、統計解析やEZRだけでなく、学会発表や論文発表でのグラフの使い方などもあり、分析結果の示し方など、発表の際にも役立ちます。
具体的な内容は、以下の通りです
- 統計解析の入り口(統計解析とは?データの種類・要約・信頼区間、群間比較、P値、バイアスなど)
- EZRを始めよう(インストール、基本操作、サンプルのダウンロードなど)
- データをながめる(データの読み込み、前処理、データの要約)
- EZRで検定(Fisherの正確検定・カイ二乗検定、McNemar 検定、t検定・Welch検定・Mann-Whitney U 検定、分散分析・Kruskal-Wallis 検定、Friedman 検定など)
- 多変量解析(ロジスティック回帰、重回帰、Cox比例ハザード回帰など)
- 学会発表・論文発表(新しい変数作成、綺麗なグラフ・表、解析履歴の保存など)
- 付録(EZRの解析機能一覧、サンプルファイル一覧、おすすめの資料)
医療統計について、より発展的な内容を学びたいあなたには、以下の書籍がございます↓
EZRでやさしく学ぶ統計学~EBMの実践から臨床研究まで~ 2版
本書は、上記の内容をより詳細に解説を加えたものになります。
上の書籍がチュートリアルだとすると、本書はシッカリとしたマニュアルのような関係になります。
本書では、統計手法の意味や背景など、理論的な側面もおさえながらシッカリ統計解析を理解していきたい方にもおすすめの本になります。
それぞれの手法について、統計解析の解説書のようにシッカリとした解説があり、
それをふまえた上で、医療系に具体的問題やデータに対して、実際の統計解析が実行されています。
また、解説の合間あいまに、操作手順のナビゲーションが示されていて、解析を行いながら、読んでいる読者を迷子にさせないように配慮されています。
色づかいも見やすく、きれいなレイアウトで直観的にもみやすいおすすめの本となっています。
理論的な背景も学びつつ、手を動かしながら学びたいあなたにおすすめの本となっています。
こちらもございます↓
ゼロから始めて一冊でわかる!みんなのEBMと臨床研究
EZRの解説・実践本には、こちらもオススメです↓
【医療統計を体系的に学びながら、統計学、多変量解析の実践力も高めることができるシリーズ】
みんなの医療統計 12日間で基礎理論とEZRを完全マスター! (KS医学・薬学専門書)
みんなの医療統計 多変量解析編 10日間で基礎理論とEZRを完全マスター! (KS医学・薬学専門書)
この2冊はどちらも、
- 医療統計のコンセプト
- 医療統計向けのフリーソフト「EZR(Easy R)」の使い方
を学びながら、実務・分析力を高めることができるシリーズです。
統計のコンセプトを理解することで直感的な理解をできるように配慮されており、数式が苦手という方にもわかりやすく解説がされています。
EZRは、有名な統計解析のフリーソフトの「R」を基礎にして、医療統計で必要な解析について、手軽に行えるように改良されたソフトです。
すでに論文での多くの使用実績があり、質が担保されながら無料でダウンロードでき、誰でも今すぐ使うことができます。
この EZRを使いながら医療統計の実践的な手順を学べるのが上記の2冊となります。
「みんなの医療統計 基礎理論編」では、
統計の様々なコンセプトを使った医療統計のやり方について12日で学べるようにまとめられています。
具体的には以下の内容になります。
- 1日目:記述統計量
- 2日目:仮説検定
- 3日目:疫学研究デザイン
- 4日目:統計テストの選び方
- 5日目:スチューデントのt検定・マンホイットニーのU検定
- 6日目:対応あるt検定・ウィルコクスンの符号付順位和検定
- 7日目:分散分析・クラスカルワリス検定・フリードマン検定
- 8日目:線形回帰・相関係数
- 9日目:リスク比・レート比・オッズ比・ロジスティック回帰
- 10日目:感度・特異度・ROC図
- 11日目:生存率解析(カプランマイヤー図、ハザード比、コックス回帰)
- 12日目:サンプル数の見積もり(研究に必要な症例数の計算)
こちらは上の書籍の続編で、
医療で出てくる例を使いながら、多変量解析の活用方法をきちんと・視覚的にもわかりやすく解説してくれています。
ダウンロードしたデータを使いながら、実際にEZRを動かしながら学べます。
内容もアメリカの大学の専門医研究向けの医療研究修士コースでの著者が医師や医療従事者向けに考案されたテキストを元に書かれており、充実した内容となっています。
難しいと思われがちな多変量解析について、10日間で学べるようにまとめられています。
- 1日目:多変量回帰モデルとは?
- 2日目:いつ・なぜ・多変量回帰モデルを使うのか
- 3日目:多変量回帰モデルでの説明変数の使い方
- 4日目:線形回帰モデルの仮定のチェック
- 5日目:多変量回帰モデルにおける交絡の調整とインターアクション解析のメカニズム
- 6日目:実験室の多変量解析(分散分析・ボンフェローニ補正・サプグループ解析、様々な解析例など)
- 7日目:オッズ比とロジスティック回帰
- 8日目:ロジスティック回帰における交絡とインターアクション
- 9日目:ケーススタディ:モデルの組み立て方
- 10日目:傾向スコアの意味と使い方
となっています。
これら3冊を系統的に学ぶことで、医療統計の基礎から理論・実践ともにきちんと・しっかり・フリーソフトで身につけることができます。
新谷先生のこの2冊は、12+10日で学ぶことができ、
約1ヶ月くらい集中して勉強すれば、
一生使える医療統計のスキルが身につく、お得な本となっています。
同著者のこちらの本もおすすめです↓
EZRのダウンロード・インストール(EZRを使うための3ステップとは)
EZRを使うには、EZRだけでなく、統計解析フリーソフトRの2つをそれぞれインストールして、セットアップする必要があります。
手順は以下になります↓
(1), 自治医科大附属さいたま医療センターのホームページからEZRの「ダウンロード」・「インストール」します。
EZRは、自治医科大附属さいたま医療センターで開発・管理されており、以下のEZRの開発元のページでは、EZRのマニュアルや参考文献など、EZRを使う際に必要となる情報がまとまっています。
使う前に一読されておくとEZRの概要がつかめるかと思います。
→ 『自治医科大附属さいたま医療センター 統計ソフトEZRのページ』
(2), 「R」の本体をダウンロード・インストールします。
統計解析ソフト「R」は、全世界で開発・使用されているフリーソフトです。
世界中の研究者や技術者・エンジニアが開発に携わっており、最新のアルゴリズムなどを、初学者でもサクッと使うことができる、お得なソフトとなっています。
(3), 最後に、両者を合わせて、EZRをセットアップする流れになります。
(1), (2) でダウンロードしたソフトをセットアップすることでEZRが使えます。
というわけで、本記事では医療統計をEZRで行うための手順や参考書籍をご紹介しました。
こちらもございます
「Rを活用した医療統計」についてはこちら↓
Rのダウンロードなどは、こちらにもございます↓
「統計学」については、こちらもおすすめです↓
「医療統計」にはこちらもございます↓
「看護研究への統計学」についてはこちら↓
「Java」 を学ぶならこちらもございます
「顧客管理・ソフト」ならこちら
「ビジネスアナリシス」ならこちら
「ブロックチェーン」ならこちら
「関数電卓」ならこちら
こちらの記事もございます↓
『「クラスター分析(クラスタリング)」を学びたいあなたにチェックしてほしい良書、6冊はこちらです』
『「医療統計」を基礎から入門したいあなたにおすすめの良書、8冊はこちらです』
『医療統計で使える8つのソフトの特徴と違いとは?比較しました【フリーソフトもどうぞ】』
『「アンケート調査」をしたいあなたにチェックしてほしい良書、9冊はこちらです』
『「多変量解析」を独学したいあなたにチェックしてほしい良書、12冊はこちらです』
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