「アンケート調査」は、質問への回答を「集計・分析」して、有用な知見を見いだすための活動です。
アンケート調査には、スーパーのお客様満足度アンケート調査などの、身近なアンケート調査もあり、「顧客のホンネ」を知りたいときなどに使える方法です。
他にも、マーケティングのためのアンケートでは、製品計画や価格の決定、販売計画や広告促進案のために有効活用されています。
加えて、顧客の特徴を分析して潜在需要を掘り起こしたり、新規顧客獲得のための指針にしたりします。また、価格を△円下げたら、売上はどのくらい変わるか?といった、予測に使うこともできます。
このように、アンケート調査を行うことで、根拠に基づいた経営方針を決定し、あなたのビジネスを加速するのに欠かせない武器となるはずです。
わたしもアンケートを有効活用したい!
と思われる方も多いかと思います。でも、
- 調査方法やサンプル数はどうすればいいの?
- 質問の項目や選択肢はどんなものを使えばいいの?設問例とかないの?
- 集計や分析方法は?結果はグラフにしたいなぁ
- アンケートの作成はエクセルでもできる?
などの疑問をもたれるかと思います。そこで本記事では、
- アンケートをはじめての初心者の方
- やったことあるけど効果が少なく、どう改善すればいいの?って方
- アンケートデータが倉庫にしまったままになってる方
などのために、わかりやすく、サクッと実行・改善できるようになる良書、8冊をご紹介します。
本記事の概要
「アンケート調査」をしたいあなたにチェックしてほしい良書、9冊はこちらです
1冊目はこちら 【エクセルでアンケート調査したい方必見の1冊】
Excelでやさしく学ぶアンケート調査と統計処理〈2013〉
本書はアンケート調査初心者の方が、エクセルを使って、アンケートの全体像をわかりやすく学べます。調査票の作り方からアンケート結果の整理、グラフ化などを学び、さまざまな統計解析の手法(相関係数、クロス集計、さまざまな検定、分散分析)のエクセルでのやり方が非常に丁寧に解説されています。
エクセルの操作手順は、スクリーンショットとともに1つ1つ丁寧に示されていて、クリックする場所で迷子になったりすることなく、初心者もシッカリ分析できるように配慮されています。
アンケート調査も統計解析も初心者という方にとくにおすすめの良書です。(ただし統計解析の詳しい解説が必要なときは、他書を参照する必要があるかと思います)
2冊目はこちら 【アンケート調査初心者の教科書、経験者の辞書的な1冊】
らくらく図解 アンケート分析教室
アンケート調査の分析の全体像をきちんと学べる1冊です。本書は基礎編・解析手法編・実践編にわかれています。
基礎編では、アンケートの選択肢や項目など、設問・入力の作り方の説明からはじまり、単純集計からクロス集計、相関係数、CSグラフや改善度指数について、具体例を使い、表や図が多く、視覚的に理解しやすく工夫されています。クロス集計の説明も丁寧で、データ・図示・その解釈、といった流れをサクッと理解できます。
解析手法編では、アンケート調査の分析に使われる手法が網羅されています。多変量解析(重回帰分析、コンジョイント分析、判別分析、ロジスティック回帰分析、因子分析、主成分分析、クラスター分析、コレスポンデンス分析、AHP、共分散構造解析、数量化理論など)、標本設計や統計的推定や検定(標本設計、母比率、母平均、母相関係数、クロス集計の独立性などの推定や検定、サンプルサイズの決め方など)が、解説されています。実際のアンケート結果を使って、各手法をどう使うのか、図や表を使いながら1つ1つ手順を追って、わかりやすく説明してくれます。それぞれの手法には よくある困った場合への対処について、Q&A方式で詳しく解説がされています。実際のデータ分析で行き詰まったときに役に立つ内容が盛りだくさんとなっています。
実践編では、より具体的に、医薬品評価分析、化粧品顧客満足度分析、消費者セグメンテーションを題材に、分析の目的から実際のアンケート、その結果、結果の分析、その解釈といった、アンケート調査の上流から下流まで一気通貫に見通せるようになっています。基礎編・解析手法編で学んだものが活かされているのが実感できるよう工夫されています。
アンケート調査について、1つ1つ手順を見ながら理解したい初学者にはもちろん、詳しくない手法をあらたに使ってみたい経験者の方にも役に立つ、教科書的で辞書的使い方もできる1冊となっています。
3冊目はこちら【SPSSで、アンケート調査を、統計処理するならこちら】
SPSSによるアンケート調査のための統計処理
アンケートではさまざまなデータを扱うため、それを処理する統計手法もいろいろ使いこなす必要があります。
本書では、統計処理手法ごとに章がわけられています。各章では、その手法を使うことでなにがわかるのか?どんなときに使うのか?データ形式はどんなものか?といったことから解説がはじまり、アンケートデータの形式、アンケート調査全体の流れ、統計処理の手順、結果のみかた、結果の解釈のしかた、結果のまとめかた・プレゼンのやり方などが、わかりやすくまとめられています。
たとえば、独立性の検定であれば、質問項目間の関連性がわかり、データとして、3つのタイプの医療施設でのアンケート調査票が使われ、項目1:看護サービスに満足しているか(1、満足している 2、満足していない)、項目2:施設のスタッフ数は?(1、10人 2、50人 3、100人)が用いられています。次に独立性の検定の流れが、分かりやすく5ステップで示されていて、出力がでたら確認すべき3つのポイントが記されています。くわえて、結果をふまえたレポートのまとめ方の表現例が示されており、はじめて用いた手法でも、安心して報告が行えます。その後、SPSS での統計処理の手順の詳しい解説について、画面のスクリーンショットとともに、解説や注意点とともに、1つひとつ分かりやすく学べます。また出力結果のグラフやクロス集計表のみかたなどが、初学者にも理解しやすいようにまとめられています。
このような感じで、他にも、決定木、コレスポンデンス分析、多重応答分析、名義回帰分析、順序回帰分析、カテゴリカル回帰分析、ロジット分析、プロビット分析、カテゴリカル主成分分析、ウィルコクスンの順位和検定、クラスカル・ウォリスの検定、コンジョイント分析、選択型コンジョイント分析、信頼性分析などが扱われています。
また付録には、ベイズ統計の手順が示されていて、2つのグループの差の検定の例が示されています。
アンケート調査の統計処理がはじめての方でも、どんな手法を、どのように使い、どう解釈して、どう伝えるかまで、サクッと理解できるおすすめの1冊となっています。
4冊目はこちら 【アンケート調査の初学者が、手元に置いておくと仕事がはかどる1冊】
実例でよくわかるアンケート調査と統計解析
本書は、アンケート調査の全体像を、イラストや図などを多く使い分かりやすく説明してくれます。レイアウトも綺麗にまとめられており、視覚的にも学びやすい1冊です。
アンケート調査全体の流れ(調査企画、調査票の作成、サンプル抽出、調査、集計、分析、報告書作成)の各パートを、初学者にもわかりやすいように、イラストを交えたりレイアウトを工夫したり、読んでいて飽きのこないようにまとめられています。
統計解析の部分では、1変数で使える手法、2変数で使える手法というように分けて説明されていて、頭の整理がしやすくなっています。アンケート調査でよくつかう分析手法はおおよそ網羅されており、多変量解析などもこれ1冊で学ぶことができます。
アンケート調査を実務でサクッと行いたい方など、手元においておくと仕事がはかどる1冊ではないでしょうか。
5冊目はこちら 【アンケート調査の全体を実務者向けに、詳しくかつサクッとまとめた1冊】
アンケート調査入門
本書はアンケート調査について、基礎から実務応用まで幅広くカバーできる1冊です。
アンケート調査の背景にある標本調査の考え方から、アンケートの調査票の作成、設問例や項目例、質問事項の決め方などが、知識〜態度プロセスとの関わりの中で説明されています。調査方法とそれぞれの方法での注意点にくわえ、調査票の具体例も示されていて、イメージがわきやすいです。質問例や設問形式などの例もあり、自分で作成する際の参考にもできます。
集計や分析では、テキストマイニングの説明からフリーソフト「Tiny Text Miner (TTM) 」を使った分析例(コールセンターや営業日報のデータ分析、プログやTwitterからの情報抽出など)が示されています。加えて、エクセルを使った統計解析や重回帰分析によるモデル化、グラフによるデータの可視化、結果の解釈のポイントなども解説されています。
最後に報告書の作成や発表などの結果の発信についての方法もあり、アンケート調査の上流から下流まで全体をサクッと学べる良書です。
6冊目はこちら 【経営者視点のデータ分析の解説で、サクッと現場で活かせる1冊】
経済・経営・商学のための実践データ分析―アンケート・購買履歴データをいかす (KS理工学専門書)
本書はアンケートデータなどを経営などに活かしたい方向けにまとめられた1冊です。
アンケート調査の概要の説明のあとに、関連性の分析手法についての解説がされています。このあたりは他書とあまり変わりません。次に「売上に影響する要因を知る」という視点から分析がなされます。他にも「製品のポジショニングの把握」という観点や、「製品の類似性を測る」、「製品開発のために」といった、経営者視点からデータ分析が解説されています。
手法としては相関係数、クロス集計、連関係数、回帰分析、重回帰分析、ロジスティック回帰、主成分分析、多次元尺度構成法(MDS)、コンジョイント分析などが使われています。また、購買履歴データの集計では、ABC分析やRFM分析などが解説されています。
データを最短で経営に活かしたい方にとくにおすすめの1冊となっています。
7冊目はこちら 【アンケート調査と関連する統計解析の全体像を理解できる1冊】
授業評価・市場調査のための「アンケート」調査・分析ができる本
アンケート調査を厳密に行うには統計学や社会調査法を学ぶ必要があります。しかしそれらを学ぶには時間がかかります。本書ではそれらを学ぶことなく、きちんとしたアンケートがサクッとできるようになるように執筆されています。
本書は基礎編・応用編・実践編にわかれていて、アンケートの着想力、設計力、実施力、読解力、説明力といった「アンケート力」をつけれるように工夫されています。
基礎編ではアンケート調査でよくある失敗例や成功するためのコツ、分析のための4つのフレームワーク、質問票の作り方など実務で即役に立つ内容が盛りだくさんとなっています。
応用編ではデータ分析について解説されています。1次元、2次元データの特徴の調べ方から、1グループの性質の分析(仮説検定)、2グループ、3グループ以上の違いの分析、関連性の分析が具体例を示しながら解説されています。
実践編では、実際のアンケート例(学校・授業アンケート、商品購入者向けの満足度調査)を使って、関連性の分析(独立性の検定や相関検定)や平均の差の検定、分散分析などで分析する過程とその解釈が1つ1つわかりやすく示されています。
最後のエクセルによる統計分析のやり方が、スクリーンショットとともに解説されていて、自分で分析するときの参考にできます。
すぐにアンケートを行う必要がある方が、必要な知識を系統立てて学べ、ツールや分析ソフトについてもサクッとできるようになる1冊です。
8冊目はこちら【印刷不要で、コストを削減したアンケート調査を行いたいあなたにはこちら】
紙を使わないアンケート調査入門―卒業論文、高校生にも使える
アンケート調査というと、質問票を印刷して書いてもらい、1枚1枚集計するタイプのものを想像されるかもしれません。この場合、印刷費や配布・収集などの時間的コスト、保管や廃棄など注意深く行う必要があるなど、負担が大きいものになりがちです。
本書では、Googleフォームを使うことで、アンケート調査をWeb上で行う方法を解説しています。紙をつかわないことで、上で書いた労力を大幅に小さくすることが可能です。もちろん紙資源の節約にも貢献できます。また、収集したアンケート結果は、統計解析のフリーソフト「R」を用いて集計・分析する方法も解説されています。
手軽にサクッと無料で、アンケート調査・集計・分析ができるようになる1冊となっています。
9冊目はこちら 【アンケート活用がうまくいかない方の改善への処方箋はこちら】
アンケートの作り方・活かし方 (PHPビジネス新書)
アンケート調査はやってるんだけど、それを活かせないという方に必見の1冊です。
アンケートの質問や集計・分析などは、上記の書籍を学ぶことで、マスターすることができます。また、アンケート調査ならよくやっているよ、という方も多いかと思います。
本書は、アンケート調査を「より上手に活用する」していきたいあなたのために、様々な改善方法のヒントを与えてくれます。
- アンケートが役に立たない理由とは?
- アンケートの利点や6つの目的とは?
- お客様像をつかむためのアンケート調査とは?
- 買うか買わないかをどう決めているの?を知るためのアンケートとは?
- 潜在的ニーズから価値を生み出すためのアンケートとは?
- 従業員のためのアンケート、顧客名簿作りのためのアンケートとは?
といったように、アンケート調査の一般的な方法論だけでなく、ビジネスで重要なポイントにダイレクトで役に立つアンケート調査の活用方法が解説されています。
1−7冊目で紹介した書籍と合わせて一読されることで、おなたのアンケート調査の質がさらに高まるおすすめ本となっています。
というわけで、今回は「アンケート調査」をしたいあなたにチェックしてほしい良書、9冊をご紹介しました。
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『「マーケティング」を科学的に行いたいあなた、フリーソフト「R」を使った「データ分析」はいかがでしょうか【マーケティング・データ分析の基礎:Useful R】』
『「定性的データ分析」と統計解析のフリーソフト「R」をサクッと身につけたいあなた、こちらはいかがでしょうか』
『「テキストマイニング」を学びたいあなたにチェックしてほしい良書、11冊はこちらです』
『「ベクトル」を学びたい・復習したい方にチェックしてほしい良書、10冊はこちらです』
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