定性調査を活かしてマーケティングを強化したいあなたはこちらをどうぞ【消費者理解のための 定性的マーケティング・リサーチ】

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最近、ビッグデータ分析を中心とした定量データ分析は隆興を極めています。

○○を分析したら、売上が△倍に!

のようなニュースもしばしば聞かれます。

 

なんだかすごそうですよね。

 

でもじつは、定量データ分析が行われるにつれて、その”限界”も明らかになりはじめています。

とくに、定量的に表現することが難しい概念を扱う際にそういった傾向が見えつつあります。そして、そういった場合に有効な

 

「定性データ」への需要が高まっています。

 

本記事では、定量データでは表現しにくい概念を表現できる定性データを使って分析する定性調査についてまとめました。

また、定性調査をマーケティングへ応用するためのおすすめ本もご紹介します。

本記事の概要

「定性データ」とは?なぜ必要なの?

「定性データ」は、詳細に表現した言葉や写真・映像などのデータをここでは指しています。

定量データには現れにくい情報を扱える利点があります。たとえば、以下のようなものを表現することを考えてみます。

  • 消費者がどのように感じて、どう考えているのか
  • 消費者は、消費にまつわる意味を、どう作りだして共有し、それらを楽しんでいるのか

これらを表現するには定量データでは不十分であることがわかっていただけるのではないでしょうか。数値では表しにくいですよね。

こういった概念を表現するために使うのが定性データで、うまく使うことによって、これらの概念を理解しやすくなります。

 

注意:定量データ分析の中に、定性的データ分析という言い方をされる方法があります。これは今回の記事の定性データ分析(定性調査)とは別のものですので、ご注意ください。

定量データ分析の中の定性的データ分析については、以下の記事にございます↓

「定性的データ分析」と統計解析のフリーソフト「R」をサクッと身につけたいあなた、こちらはいかがでしょうか

 

「定性調査」と「定量調査」は、どう違うの?

定性と定量は様々な分野で使われます。消費者や市場の分析で使われる定性調査と定量調査の違いと特徴をまとめときたいと思います。

 

「定量調査」では、調べたい対象が尺度化された変数や二値変数を使って、概念を表現できるという仮定に基づいています。そして表現した変数によって、統計的な分析で新しい知見を見いだすプロセス全体を定量調査と呼びます。

 

それに対して、「定性調査」では、調べたい対象について細やかに観察して解釈するもので、写真や言葉などをつかい、概念を深く説明することを目的としています。変数では表現できそうにない概念などを扱うときに特に有効となります。

 

小田和正さんが「ラーラーラ〜言葉にできない」と歌われていますが、わたしたちの行動を決める要因には、はっきりと数値では表現できない感情や気持ちが重要な場合があります。

 

そういった数値で表現できない「概念」などを表現して分析するのが定性調査となります。

 

もう少し詳細に説明してみると以下のようになります。

データについての違い:

「定性調査」では、視覚や言語で詳細に記録する方法がとられる

「定量調査」では、対象を数値化する

 

背景と結果の関係について:

「定性調査」では、結果は人や場所、文化、時間などに特有と考える

「定量調査」では、結果は一般的にどの人、場所、文化、時間でも同じだと仮定する

 

事象の背後にある要因について:

「定性調査」では、概念の背景にある多様な要因をありのままに描き出すことを理想とする

「定量調査」では、シンプルな因果推論を行うために、数値化された変数は操作されたり尺度化されたりする

 

このように、定性調査と定量調査は大きく違っていることが分かっていただけたかと思います。

  • なるほど!我が社でも定性調査が使えるかも!
  • 定性調査で業績アップさせたいなぁ
  • 定性調査ってどうやればいいんだろう?

など思われた方もおられるのではないでしょうか

「定性マーケティング」を自社ビシネスに活かしたい!

 

定性調査が効果的に活かせる分野にマーケティングがあり、「定性マーケティング」と呼ばれています。エスノグラフィー、ネトノグラフィー、ビデオグラフィーなどの手法があり、消費者と市場を調査する方法として知られています。

 

  • 「定性マーケティング」ってたくさんの方法があるんだなぁ〜
  • いったいどれを使えばいいの?
  • どんな成果が期待できるの?

 

など定性マーケティングの全体像や、各手法の詳細と実行手順をサクッと学べたらいいですよね?

 

そんなあなたのために、定性マーケティングを効率的に学べるこちらをご紹介します↓

 

本書は、マーケティング研究者たちの著書(Quantitative Consumer and Marketing Research)の翻訳です。定性的消費者研究で重要な2つのイベントである消費者行動オデュッセイアと消費文化理論カンファレンスの創始者や、米国経営学会の起業家精神部門のチェア経験者、ネトノグラフィーの創始者が執筆しています。

定性マーケティングのプロジェクトの始め方から各手法や一連のプロセス(深層インタビュー、エスノグラフィー、ネトノグラフィー、データ分析、理論構築、プレゼンテーション、共有など)を1冊でサクッと学べるお得な本となっています。

 

本書の構成は以下の通りです

第1章 イントロダクション

1、導入エクササイズ

2、定性調査と定量調査はどこが違うのか?

3、なぜ定性調査は有益なのか?

4、なぜ今、定性調査を学ぶことが大事なのか

5、マーケティングにおける定性調査:略史

6、本書の概要

 

第2章 はじめてみよう:定性調査プロジェクトの始め方

1、リサーチ・クエスチョンと科学的現象の選択

2、調査トラディションの中に位置づけてみる

3、データ収集計画と調査トラディションをマッチングさせる

 

第3章 深層インタビュー

1、インタビューの準備、インフォーマルの募集、場の設定

2、会話としてのインタビュー

3、フォーカスグループ

4、投影法

5、要約:深層インタビューと投影法

 

第4章 エスノグラフィーと観察法

1、観察の原則

2、エスノグラフィーについて

3、エスノグラフィーをする

4、実際の例

 

第5章 オンライン上の観察とネトノグラフィー

1、データマイニング

2、データマイニングとは

3、オピニオンマイニング

4、社会ネットワーク分析

5、社会ネットワーク分析に向けてのデータ収集

6、ネトノグラフィー入門

7、ネトノグラフィーでのデータ収集

8、オンラインデータのキャプチャーと収集の基本原則

9、ネトノグラフィーのデータ収集のための準備

10、データ収集とデータ分析ソフトウェアの選択

11、オンラインインタビュー

12、要約

 

第6章 データ収集のための道具

1、録音

2、写真撮影

3、動画撮影

4、調査対象者が生み出すマテリアル

5、ローテクデータとハイテクデータ収集のためのその他の道具

6、結論

 

第7章 学術調査のためのデータ分析・解釈・理論構築のアプローチ

1、データ分析

2、解釈と理論構築

3、既存の理論パースペクティブを利用する

 

第8章 実務家のための理論・プレゼンテーション

1、実務での意思決定のための定性調査

2、実務に焦点を合わせたデータ分析・解釈の進め方

3、実務向けの市場分析のための12のガイドライン

4、実務向けの分析の質の評価

5、定性的消費者調査・市場調査を実務家にプレゼンテーションする

 

第9章 プレゼンテーション・公開・共有

1、目指されること

2、共有するものを創る

3、学術ジャーナルで論文を出版する

4、結論

 

第10章 最後に

訳者あとがき

参考文献

索引

 

となっています。

本書を読むことで、

  • 定性マーケティングがどういうものか
  • どういった手法があり、どう使うのか
  • データ分析の方法
  • 理論構築の方法
  • 結果の公表と共有の方法

といった、一連のプロセス全体をサクッと理解することができます。

  • 定性マーケティングで業績をアップさせたい方、
  • 定量マーケティングで行き詰まっていた方
  • 現状を表現する新しい方法を知りたい方

など、実務から学術と幅広く応用できるのが定性マーケティングの特徴です。

マーケティングの専門家だけでなく、経営者の方や、一般のビジネスパーソンにも役に立つ1冊となっています。

 

 

 

 

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