ゼロからわかる「ロジスティック回帰分析」

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統計学と機械学習の交差点で、もっともポピュラーに使われているのがロジスティック回帰分析です。

名前に「回帰」と付きながら、実は「0か1か」を予測する分類モデルです。

直感的な確率解釈とシンプルな実装で、ビジネスから医療、Web解析まで幅広く活躍します。

 

本記事の概要

1. ロジスティック回帰分析とは?

一般的な線形回帰では予測結果が実数値になるのに対し、ロジスティック回帰はある事象が起こる確率を出力します。

生み出された確率が閾値を超えればクラス1、下回ればクラス0と判定することで、二値分類問題を解決します。

正解ラベルを最もよく説明するように対数尤度関数を最大化する手法で推定します。

数理的には勾配を求めて反復更新するので、Pythonの `scikit-learn` や `statsmodels` で数行書くだけで学習完了です。

 

2. どんな場面で活用されている?

ロジスティック回帰は解釈性が高く、実装コストも低いので、多くの業界・用途で第一選択肢になります。

– 医療診断

患者の検査値や問診データから病気かどうかを予測

– クレジットスコアリング

申込者の属性・信用履歴で与信可否を判定

– 顧客解約予測

購買履歴や利用頻度で解約リスクを推定

– マーケティング

メールの開封率、広告のクリック率を二値分類

– 人事・採用

応募者情報から内定可否や早期離職リスクを評価

– 製造現場の異常検知

センサーデータをもとに設備故障の有無を判別

重みやオッズ比を見れば、各説明変数が結果にどれだけ効いているかが直感的にわかります。

 

3. 学ぶメリットは?

– オッズ比や係数の符号から、変数が結果に与える影響をビジネス層に説明しやすい。

– 評価指標(ROC曲線、AUC、Precision-Recall)を学ぶファーストステップになる。

– 決定木やSVMと比べて「なぜそう予測したか」の根拠が数値で示せる。

– マルチクラス分類(Softmax回帰)への発展の基礎となる

– 階層ベイズモデルや一般化線形モデルの基礎知識とすることができる

– 確率的予測を活かした信用格付けや患者リスクスコアリング など、予測結果をそのまま次の意思決定に組み込める。

– 最尤推定や勾配法、正則化の理解がディープラーニングにも活きる。

– 正則化や変数選択を組み合わせることで過学習を抑えられる。

– Python/R の標準ライブラリで数行コーディングするだけで済む。大規模データにもミニバッチ学習で対応可能。

 

まとめ

ロジスティック回帰は、そのまま業務で使えるだけでなく、上位アルゴリズムへの架け橋としても超重要です。
まずはロジスティック回帰を自分の手で実装して、確率予測の面白さを味わってみましょう。

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