「多変量解析」とは、多くの変数で表現されたデータから、ヒトにとってわかりやすい情報や知識をあぶりだす方法の1つです。
近年データを集めることが容易になりましたが、大量のデータがあるだけでは価値はありません。
実際にビジネスで応用されているように、複雑なデータに多変量解析を施すことで、ビジネスの優位性となるような価値が生まれる可能性があります。
そこで本記事では、
- 多変量解析ってなに?って方
- エクセルでの実行方法を知りたい方
- 多変量解析をビジネスに応用したいあなた
のために、多変量解析の理論やエクセルでのやり方、具体例やビジネス応用など、わかりやすく学べる良書をご紹介します。
本記事の概要
「多変量解析」を「エクセル」でサクッと実行したいあなたにおすすめの良書、9冊はこちらです
1冊目はこちら 【多変量解析ってなに?という初学者の方に】
マンガでわかる統計学 回帰分析編
マンガでわかる統計学 因子分析編
多変量解析ってなに?といった初学者の方は、実際になにができるのかなど、具体例を知って全体像をつかむのがいいかと思います。
本書にサッと目を通すことで、どんな分析方法があってどんなことができるのか、などの多変量解析の概観をつかめる本となっています。
回帰分析編では、重回帰分析、ロジスティック回帰分析がExcelの計算とともに学べます。因子分析編では主成分分析、因子分析を主として解説がされていて、付録に他の手法も紹介されていて、次に学ぶものを考える際にも役立ちます。
これまで統計解析や多変量解析になじみがなかったあなたにも特におすすめです。
2冊目はこちら 【数式を使わずに、意味を理解したいあなたへ】
まずはこの一冊から意味がわかる多変量解析
本書は数式を理解しなくても意味がわかるように配慮された1冊です。といっても、数式を理解したい方向けに詳しい解説がありますので、最初は意味をつかんで、あとで深く理解するために数式を追っていく、といった読み方もできます。
まず多変量解析の全体像や統計・確率の基礎についての説明があり、その後で相関分析、回帰分析、判別分析、主成分分析、因子分析、数量化分析の解説がなされていて分かりやすいです。加えて、数学的な準備としてベクトル、微積分、線形代数についての解説もあるのがうれしいところです。
多変量解析の基本となる回帰分析について完全に意味がわかり、エクセルでの使い方も理解させてくれます。
多変量解析の全体像とそれぞれの手法の意味がわかり、必要な数学についても学べるおトクな1冊となっています。
3冊目はこちら【数式を最小限に抑えながら重要部分を学べる1冊】
Excelで学ぶ多変量解析入門−Excel2013/2010対応版−
多変量解析について、具体例を使って、わかりやすく解説されている1冊です。
数学的な説明は少なく抑える半面、重要となる部分はシッカリ解説されています。わかりやすい具体例とともに多変量解析を身近なものにしてくれます。基本統計量から相関分析、直線回帰分析、曲線回帰分析、CS分析の解説の後に、重回帰分析、時系列重回帰分析、主成分分析、コンジョイント分析、マルチ回帰分析などの多変量解析の解説があります。
エクセルの分析ツールや著者の開発したフリーソフトを使って、手を動かしながら学べる1冊です。
4冊目はこちら 【エクセルで多変量解析をビジネス応用したいあなたへ】
EXCELビジネス統計分析ビジテク 第3版 2016/2013/2010対応
本書は、ビジネスに活かせる多変量解析だけでなく、単変数解析や統計検定などの統計分析も幅広く学べ、ビジネス応用に統計解析全般をどう使うかといった点を俯瞰できる1冊です。
ビジネスシーンで出会いそうな例を使って、相関分析や回帰分析、重回帰分析、コンジョイント分析、主成分分析、ロジスティック回帰分析などの多変量解析が解説されています。
エクセルでのやり方もシッカリと記載されており、現場の問題にもサクッと応用することができます。加えて、仕事によく効く分析ツールが12項目紹介されていて、あなたの分析効率を高めてくれるはずです。
ビジネスシーンで求められる問題解決のための方法の1つとして、データの読解力や分析力がつく良書です。
5冊目はこちら 【わかりやすい例と丁寧な途中経過でシッカリ理解できる本です】
実践ワークショップExcel徹底活用統計データ分析 改訂新版
本書は統計に関する丁寧な説明だけでなく、エクセルを使った解析方法も途中過程も1つ1つ示してくれています。具体例もプロ野球の松坂選手の投球データに関するものが使われていたりと、読者が飽きないように工夫された1冊です。
こちらは上の書籍の改訂前のものです。グラフを使って視覚的に理解しやすく工夫されていて、数式メインの書籍でつまずいたあなたも理解しやすい1冊です。重回帰分析、判別分析、数量化理論I類・II類、実験計画法、コンジョイント分析などを学ぶことができます。
6冊目はこちら 【エクセルソルバーを使いこなして多変量解析を行いたい方はこちら】
Excelソルバー多変量解析―因果関係分析・予測手法編
Excelソルバー多変量解析―ポジショニング編
因果関係分析・予測手法編では、単回帰分析、重回帰分析、ロジスティック回帰分析、判別分析、数量化理論1類、数量化理論2類、正準相関分析、コンジョイント分析が扱われています。
ポジショニング編では、主成分分析、因子分析、多次元尺度構成法、数量化理論3類、数量化理論4類、クラスター分析が解説されています。分析事例としては、
①、主成分分析の分析事例:競合飲食店についてのアンケート調査結果の主成分分析
⇒ 消費者が各飲食店に抱いているイメージの関係や、飲食店間の関係の把握に使われています
②、因子分析の分析事例:20人の情報に関する考えや意見・態度についての調査結果の因子分析
⇒ 質問事項の背後に潜む各項目に共通した要因を明らかにしています
③、多次元尺度構成法(クルスカル)による分析事例:商品間の同時購買頻度データの分析
⇒ データの背後に存在する消費者の行動パターンに理解と把握を試みています
④、数量化III類による分析事例:清涼飲料水の特性についての評価データの分析
⇒ 清涼飲料水の特性を捉えることを試みています
⑤、数量化IV類による分析事例:テナント利用の有無データの分析
⇒ 消費者のテナント間の利用傾向を明らかにしています
⑥、クラスター分析による分析事例:顧客の購入金額、購買点数、来店回数のデータ分析
⇒ 顧客の購買傾向を分類しています。
どちらも、手法の解説だけでなく、上記のような具体的な分析事例とともに、エクセルでの実行の仕方もシッカリ解説されています。エクセルのスクリーンショットとともに、どこを操作すればよいか1つ1つ示してあるので、初学者も迷うことなく実行することができます。
理論を学びながら、ビジネスの現場でもサクッと活かすことができ、エクセルのソルバーの使い方もシッカリ理解できるおすすめの本となっています。
7冊目はこちら 【多変量解析がなにをしているのかシッカリわかる1冊です】
多変量解析がわかる (ファーストブック)
本書は多変量解析の多くの手法について、その中でなにをしているのかまで、エクセルで手を動かしながら学ぶことができる1冊です。
多変量解析の基礎となる分散、共分散、相関係数、相関図、規格化、パス図の説明のあと、回帰分析、重回帰分析、主成分分析、因子分析、構造方程式モデリング(SEM)、判別分析、質的データの多変量解析(数量化理論)、コレスポンデンス分析などが解説された盛りだくさんの内容です。
数式を理解してエクセルでやってみる、これを繰り返すことで、中で何をしているのかまできちんと理解できます。
手法の中身についてシッカリ説明しているので、大学初年度で学ぶ微分積分、線形代数などの数学知識を理解しているとなお一層理解が深まるかと思います。
8冊目はこちら 【各手法の注意点なども詳しく解説されています】
これならわかる Excelで楽に学ぶ多変量解析
多変量解析の中でよく使われる、回帰分析、主成分分析、因子分析、判別分析を取り上げて、理論編と操作編の両方で、多変量解析の中身と実践方法をシッカリ学べる1冊です。
理論編では高校数学の範囲で理解できるように工夫されており、グラフや図を多く使って視覚的に理解しやすいように工夫されています。
操作編では体験版のソフトウェア「多変量解析 for Excel」を使って、その操作が1つ1つ丁寧に説明されていて、つまずくことなく使えるようになります。
9冊目はこちら 【多変量解析の幅広い分野での実例を知りたいあなたにはこちら】
多変量解析実例ハンドブック
多変量解析って具体的にどう使われてるの?という具体例を集めたハンドブックです。
エクセルでのやり方はありませんが、工学、建築学、生物学、医学、体育学、経済学、政治学、心理学、言語学など、さまざまな分野における多変量解析の適用事例を解説されています。あなたの問題と似た問題を探すことで、解決方法がみつかるのではないでしょうか。
というわけで、
- 数式を最小限にしたもの
- ビジネス活用を目指したもの
- 多変量解析の中身や注意点などシッカリ学べるもの
など、多変量解析をエクセルで手を動かしながら、サクッと学べる良書、9冊をご紹介しました。
こちらもございます↓
Excelを本格的データ解析ソフトにパワーアップする、統計解析アドインソフトです↓
こちらはアカデミックユーザ版で、通常版よりお得です↓
エクセルでの統計分析についてはこちら↓
『「エクセル」で「統計分析」をできるようになりたいあなたにチェックしてほしい良書10冊はこちらです』
「多変量解析」に興味がある方はこちらをどうぞ
多変量解析の基礎の基礎となる、線形回帰分析についてはこちらもございます↓
人工知能 3番目の入門書: 線形回帰分析 (ミント出版)
本書は、統計解析としての線形回帰分析と、人工知能(機械学習)としての線形回帰分析のやり方について、
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