本記事の概要
基本情報技術者試験とは?どんな資格なの?試験内容や日程、申し込みの仕方などもわかりやすくまとめました
基本情報技術者試験ってなに?正式名称は?国家試験なの?
基本情報技術者試験は、高度IT人材になるための基礎知識や基礎技能を測る試験です。
基本情報技術者試験の勉強をすることで、
IT技術に関してしっかりと基礎を身につけることができ、
応用力も養うための土台ができます。
ITエンジニアとして活躍していきたいあなたが最初に学びのにおすすめの資格となっています。
基本情報技術者試験は、情報処理の促進に関する法律に基づいた国家試験になります。
IT技術は日々進歩しており、業務などで求められるIT知識も変わっていきます。
日々変化している技術の中で、
国(経済産業大臣)がITの知識や技術についてまとめ、
出題し、資格化したものになります。
基本情報技術者試験に合格することで、
- 情報技術を活用した戦略立案に参加できる
- システムの設計や開発に従事し、信頼性や生産性の高いシステムを構築できる
- 構築したシステムの安定的な運用サービスに貢献できる
といった業務に、上位者の指導の下に参加できる基礎力があることを、国が証明してくれることになります。
あなたが基本情報技術者試験に合格したら、上記の
- IT技術の知識と技能について、あなたが一定以上持っていること
を経済産業省が認定してくれたことになります。
基本情報技術者試験の受験資格はあるの?受験者の年齢層は?有効期限は?
国家試験と聞くと、
- 受験するために何か資格が必要なんじゃないの?
と思われる方も多いかと思います。
基本情報技術者試験の場合には、特に受験資格はありません。
- 誰でも受験することができます。
業務に活かす力と書きましたが、
社会人の方だけでなく、
高校生や大学生など学生さんが受験することも可能です。
学生さんが早いうちにITの基礎力をつけるのはとてもおすすめです。
基本情報技術者試験の受験者の年齢をみると、
- 19−21歳:情報系の大学生や専門学生
- 24~26歳:IT系企業に入社して2、3年目の新入社員
といった方が多く受験している傾向が知られています。
基本情報技術者の資格には有効期限はありません
なので、一度合格すれば一生ものの資格となります。
基本情報技術者を受験するメリットとは?役立つ仕事はある?
基本情報技術者試験を受験するメリットはとてもたくさんあります。
1、ITの知識や技能を持っている客観的な指標としてアピールできる
もしあなたが
- 高い年収を得たい
- 良い給料で働きたい
と思うなら、あなたがそれだけの価値を持つことを会社や取引先に理解してもらう必要があります。
どうやったら理解してもらえるかには、色々方法があるかと思いますが、
- 基本情報技術者の資格を持っている
というのもアピールポイントの1つになります。
なので、基本情報技術者のメリットの1つは、
就職や転職、バイトなどで、
- よりよい給料や収入を得るための客観的なアピールに使える
という点が挙げられます。
下で書いていますが、基本情報技術者試験は、決してやさしい試験ではありません。
なので、基本情報技術者の資格を持っていると
- IT技術への知識とスキルがある
だけでなく、他業種で働くとしても
- 難易度が高めの資格を合格できた実績がある
と見てもらえたり、
- 継続的に勉強してスキルを高めていくことができる
といった、あなたの「人材としての能力」を評価してもらえる可能性があります。
2、IT技術を素早く理解・活用する力を得ることができる
基本情報技術者試験を受験する時には、
IT知識について本質的な部分を幅広く学ぶことになります。
これによって本質的なIT知識が身につきます。
IT業界では技術の変化が他業界より早いですが、
新しい技術が出てきた時に、本質的な理解ができていれば、
サクッと理解でき、業務に活かすことができます。
将来起こる環境変化にも個人としていち早く対応でき、
それができる人材は社内でも重宝されるはずです。
あなたがフリーランスならなおさら重要かと思います。
基本情報技術者試験の勉強を通じて、
本質的なIT知識と技術を身につけることで、
末長く会社や取引先、そして社会から必要とされる人材になることができます。
3、効率的にスキル維持・スキルアップができる
上でIT技術の進歩が早いことを書きました。
あなたがITを使う業務に従事しているとします。
つまり、ITに常に接している状態です。
それでも、幅広く、進歩の早い、IT分野の全てにおいて、
常に新しい情報を得て自分の理解やスキルをアップデートするのは難しいのではないでしょうか。
そういう時に、
- 効率的にIT技術の変化についていく
ことができたら嬉しいですよね。
そのためには、
信頼できる系統的な情報や問題演習が役立ちます。
基本情報技術者試験の問題は、
- IT現場の第一線で活躍している専門家の方々
- 大学や研究所などの専門家の方々
が問題を作成されています。
なので、一言でいうと、
- 質の高い問題
- 教育的な問題
- 実践的な問題
が凝縮されています。
基本情報技術者の勉強を行うことで、
IT技術についての本質的な内容に加えて、
新しい技術動向について、
- 質の高い、標準的な知識を効率的に学べる
といったメリットがあります。
もちろん、初学者の方にとっては、
必要なIT知識やスキルを幅広く勉強することになりますので、
あなたの知識もれや、苦手な技術・スキルのあぶり出しもでき、
効率的にIT知識やスキルを高めていくための指針にすることもできます。
これは基本情報技術者の合格をこれから目指す初学者方だけでなく、
すでに合格された方など、
基本情報技術者試験の勉強から時が経っている方にとっても、
幅広く、満遍ない知識習得や、スキルの定期的なアップデートをするために、
信頼できる内容を効率的に吸収できるオススメの勉強法といえるのではないでしょう。
4、国家資格の試験で一部の科目が免除される
IT技術は、何かを実現するための手段の1つです。
IT技術をIT分野以外で活用することで、より輝きを増す場合があります。
あなたがもしIT系以外の分野に興味があり、
IT技術を手段として、
- 何か面白いことをしてみたい!
という場合にも基本情報技術者の資格はおすすめです。
なぜかというと、ITを活用する能力を高めながら、
「他分野の国家資格」の一部免除などの特典もあるからです。
- 中小企業診断士
- 弁理士
- 技術士
- ITコーディネータ
などの資格試験で関連する一部が免除され、
試験勉強の負担を軽くすることができます。
国家試験の他の科目に集中的に時間を使えるので、
IT技術の知識やスキルを高めながら、
合格率を高めることができます。
他の資格とのシナジーを産むことで、あなたはより価値の高い仕事や人材になることができるはずです。
5、警視庁、各都道府県警の採用試験の一部で応募資格を得れる、また国際協力機構(JICA)の選考において強いアピールポイントにできる
こちらはご興味のある方限定のメリットになりますが、
基本情報技術者は、警視庁や各都道府県警の採用試験(サイバー犯罪捜査官など)で、応募資格を得ることができます。
また採用審査の際に加点になるというメリットがあります。
JICAでは、青年海外協力隊などのボランティア選考があります。
基本情報技術者は、特に、
- PCインストラクター隊員
- コンピュータ技術隊員
などの選考について、特に強いアピールポイントにできます。
もしあなたが基本情報技術者試験は難しそう
もう少し難易度の低い試験から取得してアピールしたい
といった場合には、より合格しやすい
「ITパスポート」
の資格を取得してアピールすることもできます。
ITパスポート試験は、毎月試験がありますので、
採用試験の日程などが迫っている場合にも対応できる可能性があります。
ITパスポート試験ってなに?
といった方には、
ITパスポート試験についてはこちらでまとめています↓
『ITパスポートとは?どんな資格なの?メリットや日程、受験料などもわかりやすくまとめました』
基本情報技術者試験の内容や試験範囲は?
基本情報技術者試験の試験内容とは
基本情報技術者試験では、大きく3つの分野が問われます。
- ストラテジ系
- マネジメント系
- テクノロジ系
になります。
試験内容は、以下で簡単に内容をまとめますね。
ストラテジ系とは?
「ストラテジ」は一般的に「戦略」の意味になります。
基本情報技術者試験でのストラテジは、
企業経営においての内容で、
- 企業と法務
- 経営戦略
- システム戦略
などを学ぶ内容となります。
マネジメント系とは?
マネジメントは、一般に「管理」の意味です。
基本情報技術者試験で学ぶマネジメント(管理)は、
- 開発技術についてのマネジメント
- プロジェクトのマネジメント
- サービスについてのマネジメント
になります。
IT技術に関係が深い業務に関するマネジメントを学ぶことができます。
テクノロジ系
テクノロジは、技術のことで、IT技術っぽい内容になります。
コンピュータを扱う上で知っておくべき
- 基礎理論
- 技術要素
- コンピュータシステム
を学ぶことができます。
以上から、 IT技術を業務で活かすために必要な内容について、幅広く学べることがわかっていただけるかと思います。
基本情報技術者試験の午前試験、午後試験とは?
基本情報技術者では、午前試験と午後試験があり、両方基準に達すると合格となります。
午前試験では、
- 4択問題(4つの選択肢から1つを選ぶ)
- 80問
が出題され、解答時間は
- 150分
となっています。
午後試験も
- 150分
なのは同じなのですが、
- 自分で問題を選択
する必要があります。
午後試験の問題選択の仕方なのですが、
13個の大問から7個を選んで解答します。
各大問では、それぞれいくつかの選択肢から1つ選ぶ形で解答します。
では、7個の大問を選ぶ選び方についてご説明しますね。
7個のうち必ず答える必要がある必修問題が
- 情報セキュリティ
- データ構造とアルゴリズム
- プログラミング言語
の3題になります。
このうち、プログラミング言語では、
- C
- Java
- Python
- アセンブラ言語(CASL II)
- 表計算ソフト
の5題が出題され、その中から1つ選択して解答することになります。
解答すべき残りの4問のうち3問は、
- ハードウェア
- ソフトウェア
- データベース
- ネットワーク
の4つから3つ選んで解答します。
そして解答すべき残りの1問は、
- ソフトウェア設計
- プロジェクトマネジメント・ITサービスマネジメント
- システム戦略・経営・関連法規
の3つから1つ選んで解答します。
以上をまとめると、
午前の試験では
- 4択問題が80問
午後の試験では、
- 13個の大問から、7問選んで解答する
となっています。
基本情報技術者試験の申し込み、受験方法、日程、受験料は?
基本情報技術者試験の受験方法は?
基本情報技術者試験は、コンピュータを利用して、マウスとキーボードで解答する形で行われます。
この試験方式は、「CBT(Computer Based Testing)方式」と呼ばれています。
あなたの希望する会場に行き、解答する形になります。
基本情報技術者試験の申し込みはどうすればいいの?
基本情報技術者試験の申し込みは、
- 申し込み用のWebサイトへのログインする
ことで可能です。
手続きの流れは以下になります。
1、利用者登録する
まずは、利用者IDを登録する必要があります。
申し込みは委託先の企業(プロメトリック社)のページからできます(『こちら』になります)。
。そこで利用者IDを取得します(プロメトリックIDと呼ばれています)。
- 希望する利用者ID
- 受信可能なメールアドレス
が必要です。
1つ注意点なのですが、
合格証書にはあなたのお名前が印字されます。
登録時に姓名を英字で登録された場合は、カタカナで印字されます。
ちなみに、登録時に使えなかった漢字に変更したい場合は、
合格証書が到着後に所定の手続きで変更することができます。
2、受験申し込みをする
受験申し込みは、利用者IDを使って申し込みます。
- 試験会場
- 日程
- 試験日時
- 支払い方法
などを選択します(詳しくは下で説明しますね)。
基本情報技術者試験は年2回行われますので、
申し込みし損なわないようにご注意ください。
ちなみに令和3年の1回目の試験(春期試験)は、申し込みが終了しましたので、
次に受験可能なのは、2回目の試験(秋期試験)になります。
例年ですと10月に行われますので、
2ヶ月前の8月から申し込みを行うことになります。
3、基本情報技術者試験の試験会場・日程は?
基本情報技術者試験の試験会場は、
- 「すべての都道府県」で1箇所以上設置
されて行われます
各試験会場ごとに、実施される日程が変わります。
なので、以下のようにして決めると良いかと思います。
(1)、あなたがご希望される会場を決めます
試験会場は「こちら」から調べることができます
(2)、その会場で実施される日程を確認します
(3)、その日程の中からあなたが受験できる日を選びます
(4)、その日に受験するために、その日の60日前以降*まで待ってから申し込み(予約)を行います
(*申し込み可能な試験日は、申し込み日を1日目として60日目までとなっているためです。およそ2ヶ月先までしか予約ができない仕様となっています。)
4、申し込みの締め切りは?
基本情報技術者試験の申し込みの締め切りは、試験日の
- 3〜5営業日前まで
になります。
3−5日前というのは、支払い方法によって変わるりますのでご注意ください。
- クレジットカード払いの場合は3営業日前まで
- コンビニ払い、Pay-easy払いの場合は4営業日前まで
となっています。
ただし、試験日が土日の場合はそれぞれ1日早く申し込む必要があります。なので、
土日受験の時の申し込み締め切りは
- クレジットカード払いの場合は4営業日前まで
- コンビニ払い、Pay-easy払いの場合は5営業日前まで
ということになります。
申し込み締め切りは、おおよそ
- 試験が実施される日の1週間程度前まで
と覚えておくといいかと思います。
ただし、希望する会場が予約で埋まってしまった場合には申し込みができません。
なので、
- 余裕を持ってスケジュールを立てる
のがおすすめです。
また、これらは変更される可能性もありますので、
必ずご自身でご確認の上、早めにお申し込みされることをおすすめします。
5、基本情報技術者試験の受験料は?支払い方法はどうすればいいの?領収書はもらえる?
基本情報技術者試験の受験料は、
- 税込で5700円
となっています。
基本情報技術者資格には有効期限はありませんので、合格すれば一生ものです。
決して高くはないのではないでしょうか。
支払い方法は、
- クレジットカード支払い
- コンビニ支払い
- Pay-easy払い
があります。
コンビニ払いやPay-easy払いでは支払い手数料が別途242円(税込)かかります。
注意点なのですが、
コンビニ支払いやPay-easy支払いを選んだ場合、
受験申し込みでは、まず午前試験の分のみが予約できます。
そして入金後に、午後試験の分が予約できるようになります。
クレジットカード払いの場合は、午前試験の予約を行った後、午後試験の予約ができます。
クレジットカード払いの方がサクッと安く予約ができるのでおすすめと言えます。
領収書は、Web領収書という形で、
- 受験後に、オンライン上から印刷
することができます。
基本情報技術者試験の結果はいつわかるの?合格発表は?
基本情報技術者の結果はいつわかるの?
試験結果は、受験後にスコアレポートから照会することができます。
基本情報技術者の合格発表はいつ?
基本情報技術者試験の結果は、
受験した月の、次の月の下旬に発表されます。
合格者の受験番号がIPAホームページに掲載されます。
また後日、官報にも受験番号が公示されます。
基本情報技術者試験の合格証書は?
合格者の方には、経済産業大臣から、
- 情報処理技術者試験合格証書
が交付されます。
合格証書の発送時期は合格発表後にIPAホームページにて示されます。
令和2年12月の受験の例ですと、
- 合格発表が1月28日
- 合格証書発送日が2月5日
- 官報公示日が2月10日
となっています。
まとめると、
- 受験日の次の月の下旬に合格発表
- さらに次の月の初旬に合格証書が発送
- 官報に公示
という流れになっています。
というわけで、本記事では、
- 情報処理技術者試験とは?どんな資格なの?
- 情報処理技術者試験を受験するメリットは?
- 情報処理技術者試験の受験方法、日程、受験料は?
などについて、わかりやすくまとめました。
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ちなみに本書は、Kindle Unlimitedの登録することで、
- 無料で読むことが可能
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