- ベクトルはよくわからん
という方は、
- まずは「ベクトルを知る」
ことからはじめてみてはいかがでしょうか。
といっても、ベクトルの公式や解き方を知るのではありません。
- ベクトルは、他と比べてどういう特徴があるのか?
- どんなところを注意しながら学べばいいか
といった
- 「ベクトルを学ぶコツ」
を理解してみるとあとの勉強がはかどること間違いなしです。
本記事の概要
「ベクトル」を学ぶときのコツとは?
ベクトルは高校数学の難所の1つです。
- そうそう、ベクトルがわからなくて高校数学が嫌いになったんだよな~
- ベクトルって矢印でしょ?なんで図形の問題で出てくるの?
なんて思った方もおられたのではないでしょうか。
難所は難所でも、じつはベクトル自体が難しいわけではないんです。1つ1つ丁寧に考えていけば分かる内容なんです。
え!?じゃあなんでわからなかったんだろう?
って思いますよね。わかりにくかったのには理由があります。
高校数学の授業を思い出してみてほしいんです。
先生がすごく駆け足で教えていませんでしたか?今思えば、新しいことを毎日習い、忙しい高校生にとって、あまりにもスケジュールが密だったような感じがしませんか?
それなんです!
高校数学は授業時間の割に範囲が広いので、授業進度が速くなります。
なので、授業で丁寧に扱う余裕が少ないのです。どうしても自学自習が必要となります。
でも、「高校生活はあっという間」だったのではないでしょうか。
じゃあ身につきにくいのも当たり前だよね~
と思えるのではないでしょうか。
これがベクトルを難しくした原因の1つです。
1つ習ったことが定着する前に新しいことが次々出てきます。なので混乱が起きて、理解不足となる。
その結果点数が取れずにやる気がなくなってしまう・・・なんてことが起こっても不思議ではないんです。
なので、ベクトルをわからなかったからといって、頭が悪いとか、能力が不足しているというわけではないんです。
ではベクトルを学びなおすにはどうすればいいか?
ズバリ、ただ単に「1つ1つ丁寧にやっていけばいい」んです!
駆け足でなく、腰をすえて1つ1つシッカリ理解して進めばいいんです。
こう思えたら、ベクトルは必ず分かります!なので苦手意識がある方は、まずはこれだけしっかり理解されてくださいね。
ベクトルにはいろいろな使い方がある?
1つ1つシッカリ学んでいけばだいじょうぶ!と書きました。
じゃあ次はもっと具体的に、なぜベクトルがわかりにくかったのかについて、知っておきましょう。そうすれば、学びながら混乱することなくスッキリと理解できます。
高校数学の教科書では、ベクトルはまず、「矢印」の意味で習います。
あ~天気図なんかで使われてるのがベクトルなんだ~
って感じで分かりやすいのではないでしょうか。
でもその後すぐに、ベクトルは「足したり・引いたりできる」ことを習います。
矢印を足す?引く?なんかイメージがわきにくいなぁ~
なんて思われるかもしれません。
その次には、ベクトルは「図形を表現」するために使えることを習います。
え!?矢印だったのに、なんで図形が出てくるの!?
と混乱された方もおられたはずです。図形が苦手な方ならなおさらですよね。
その後の練習問題や定期試験などでは、図形ばっかり出てきたり・・・
矢印から図形まで、ベクトルっていったいなんなんだよ~!
と思われても無理はありません。
高校数学のベクトルでは、これだけ色々な内容をすごーく短期間で習ったわけです。
これじゃ忙しい高校生がシッカリ理解するのはしんどい!
とわかってもらえるかと思います。(逆にシッカリやれば理解できる、ともいえるわけです^^)
社会人の方など、振り返ってみると、
- ベクトルは「いろいろな使い方」がある
- ベクトルは適材適所で「うまく使う能力が必要」なんだ!
と思えば、ベクトルを理解しやすいのではないでしょうか。
ベクトルがわかりにくかった4つの理由とその対策とは?
では、さらに具体的に、ベクトルのわかりにくい原因とその対策をまとめたいと思います。
ベクトルが難しく感じる理由には、以下の4つがあります。
①、「矢印」としての最初のイメージが強く、あとで学ぶ「別の使い方」を受け入れにくい
ベクトルにはいろいろな使い方がある一方で、
その1つの使い方だけの印象が強いと、
他の使い方をうまく身につけることが難しくなります。
(対策)
人間の脳は、最初に見たものをより強く記憶します。
この「先入観」がベクトルの勉強ではマイナスに出てしまいます。
意識して、先入観に引きずられないようにしましょう。
「矢印はベクトルの見方の1つで、全部ではない」ということです。
②、矢印なのに、数字のように「足し算・引き算」などができると習う(矢印の足し算・引き算がイメージしずらい)
(対策)これまで身近にある矢印について、足したり引いたりしたことはなかったと思います。
こういうときは、身近な世界とは切り離して、
「数学の世界では矢印は足したり引いたりできる」
というように割り切って理解するのも1つの手です。
①のように、ベクトルは矢印であるという先入観にも気をつけましょう。
ベクトルは矢印であると「同時に」数字のような性質もある、ということです。
ベクトルが数字であれば、足し算・引き算できるのは当たり前だね!となりますよね。
③、ベクトルは平面や空間を表現できるので、「図形」と絡めて出題される
(対策) ②で、ベクトルは「数のような使い方」もあると言いましたが、③では図形の辺などを表すような、「幾何としての性質」もあるということなんです。
これもベクトルのさらに別の一面です。なので、ベクトルって
- 矢印じゃないの?
- 数じゃないの?
- いったいなんなの!?
ではなく、「どれもベクトルの一面」という風に理解されると混乱が起きにくいと思います。
たとえば、人間も普段は無口だけどお酒を飲むとおしゃべりになるなど、1つの性質だけでなくいろんな面を持っていますよね。
ベクトルも場面に応じていろいろな面があるということなんです。
(補足: 高校生向け) ベクトルでは図形問題がよく出題されます。図形問題なので、ベクトルだけでなく図形の性質を知っていないと解けない場合があります。
だけど、ベクトルがわからない方は、解けなかった原因が
- ベクトルがわからないからなのか
- 図形の性質がわかっていなかったのか
ハッキリ区別できていない方もおられる気がします。図形問題では、ベクトルと図形そのものの性質を理解できているか、切り分けてチェックするといいですよ!
④、ベクトルの様々な使い方(矢印・数・図形)をいつ・どんなときに使ったらいいのか「判断力」が不足している
(対策)
「ベクトルはいろいろな使い方がある」となれば出題者はそこをわかっているかを問う問題をつくったりします。
たとえばこんな感じです。
- 一見「図形」の問題だけど、「ベクトルで表現」して「数」のように処理すると(簡単に)解ける
- 「数」式が与えられたけど、「ベクトル」とみなして「図形」的に考えると、図形の性質が使えて(ラクに)解ける
こういった問題を解くには、ベクトルの使い方を柔軟に転換させていくことも大事になります。
ではどうすれば判断力がつくんでしょうか?
ですが、これにはやはり、「良問を数多く解く」のが1番です。
数多く多様な問題を解くことで、「パターン」がつかめてきます。
すると次からは同じパターンのものを簡単に解けるようになったりします。
(ただし注意なのですが、まず最初は、それぞれの使い方をシッカリ理解していなければ、演習しても力がつきにくいです。
まずはそれぞれの使い方1つ1つを問題を解きながら確実に身につけていきましょう。)
- あぁ~たしかにそうかも!
- そういわれると理解がしやすいかも~
- もう一度ベクトルを勉強してみようかなぁ~
なんて思ってもらえるとうれしいです^^
こういった4点に注意しておくと、ベクトルをよりスッキリ理解できるはずです!
というわけで、今回は、「ベクトル」を理解したい方向けに、ベクトル攻略のコツと対策をまとめました。
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