人工知能は現在、非常に盛り上がっています。
文科省は、大学教育で、人工知能の教育を必須とする方針を打ち出しています。
第4次産業革命とも言われる人工知能ですが、
そのわかりやすい、身近な例の1つは、
「対話ai」ではないでしょうか。
対話aiというのは、対話を行う人工知能のことです。例えば
- アップルの「Siri」
- マイクロソフトの「りんな」
- アマゾンの「Amazonエコー」
といった対話を行う人工知能エージェントは、
私たちの身近で使われています。
対話する人工知能は、
- 何ができるの?
- 何が難しいの?
- どんな活用例があるの?
といったことを疑問に思われるかもしれません。
また、これから対話アプリを作ってみたい!
というあなたは、
対話aiって、どうやって学んだらいいの?
と思われるかもしれせん。
そこで本記事では、
人工知能を使った「対話ai」について、
- 「対話 ai」ってなに?
- 「対話と会話」って、どう違うの?
- 「質問応答システム」とはどう違うの?
- 「対話aiの具体例」には、どんなものがあるの?
といったことをまとめたいと思います。
本記事の概要
「対話 ai」とは?対話と会話の違い、質問応答システムとの違い、対話システムの具体例や現状についてまとめました
まずはそもそも「対話ai」ってなに?というとことからまとめます。
「対話 ai」とは
ここで使っている「対話」とは、
自然言語を使って情報のやり取りをすること
を指しています。
そして、人間との対話を実現するソフトやアプリ、または機械などを「対話システム」と呼びます。
似た言葉に「対話型システム」があります。
対話型システムは、自然言語以外の情報のやり取りも含んだ言い方になります。
例えば、人間の操作で反応するようなロボットシステムがあります。
人間によるボタンによる入力などは、自然言語以外の情報のやり取りになります。
こういったシステムは、対話システムでなく、対話型システムと言えます。
「対話 ai」の「ai」は
「人工知能」の意味の英語「artificial intelligence」
の頭文字をとったものです。
以上から、
「対話 ai」とは、人と対話を行う人工知能システムのこと
と言えます。
対話を実現するためには、「人工知能(ai)」の技術が活用されています。
「対話」に似た言葉として「会話」があります。
対話システムを学ぶ際には、
「対話と会話の違い」も意識しておくと理解が深まります。
「対話」と「会話」の違いとは?
対話と会話の違いは、はっきりしたものでなく、曖昧なものです。
知っておくと参考になる
使い分けの考え方の指針をいくつか挙げていきます。
(1), 目的の有無で分ける
対話は、目的を持った情報のやり取り
会話は、目的のない情報のやり取り
のようの分け方があります。
この考え方では、
例えば、航空機の予約のためにやり取りをするシステムは、目的があります。なので対話システムです。
それに対して、目的のないような雑談をするシステムは、「会話システム」のように呼ばれます。
(これは非タスク型対話システムとも呼ばれることもあります)
(2), 参加者の人数で分ける
「対話」は、2人(人と機械)で話す場合に使います。
「会話」は、2人以上で話す場合に使う分け方があります。
2人以上というのは、2人の人間と1つの対話aiのようなやり取りのことです。
他にも、対話ai が2つ以上あり、それと人間がやり取りする場合もあります。
いくつかの対話ai と人間が一緒になってやり取りをする場合などは、会話と言われます。
以上から、
「対話 ai」は、
対話aiと人間1人の間での、
目的を持ったやり取りを実現するもの
のような意味になります。
対話システムに似たシステムとして「質問応答システム」もあります。
「質問応答システム」との違いは?
質問応答システムは、ユーザーの質問に対して、
1問1答形式で、1度のやり取りを行うシステムです。
対話システムでは、1度のやり取りにとどまらないシステムです。
質問応答システムとの大きな違いは、
対話の履歴を使うことで、
ユーザーの意図を考慮できるシステムになります。
例えば最初の質問で、人間が
「上野で人気のラーメン屋はどこ?」
と聞いたとします。
答えを聞いた後で、それに続けて、人間が、
「池袋では?」
と聞いた場合には、
「池袋での人気のラーメン屋はどこ?」
という意味で聞いているはずです。
もしも質問応答システムであれば、
対話履歴がないので、「池袋では?」の答えを出すことができません。
それに対して、対話システムでは、対話履歴を使うことで、
この質問に的確な答えを返すことが可能です。
このように、対話システムでは、人間の意図を反映した答えを返すことが可能になってきています。
ちなみに、対話システムに、人間の意図を反映させる技術は、
現在でもなお、対話システムの中でも重要な課題の1つとなっています。
私たちの身近にはどんな「対話 ai」があるでしょうか。
「対話 ai」の現状とは
対話 ai が使われてるものとしては、
スマホアプリの「Siri」が有名ではないでしょうか。
国産では、NTTが開発した「しゃべってコンシェル」があります。
その他にも、Microsoftが開発した女子高生AIの「りんな」
この他に、スマートスピーカーと呼ばれる機器として知られる
「Amazon Echo」
「Google Home」
などがあります。
これらの対話 ai 機能は、音声を認識してくれるので、
私たちがタイプして入力する手間を省いてくれます。
お年寄りや目が不自由な方にも優しいというメリットがあります。
しかし実際に、これらの機能を使ってみると、
正しく返してくれる場合もあれば、
意図しない答えを返す場合や、
わかりません、と返してくる場合など、
まだまだ発展途上であることを感じることができます。
便利になってきている半面、
まだ技術的に難しい面が残されている、
というわけです。
現在の対話aiの課題の1つとしては、
人間の意図を満たした返答を返すことです。
現在の人工知能でも、人間の意図を理解するのは、まだ難しいとされています。
しかし、系列の情報を取り込みながら学習を行えるディープラーニングを使うことで、
複数の発話にまたがるユーザーの意図の理解などが行えるようになってきています。
今後さらに発展していく分野となっています。
というわけで、本記事では、
- そもそも「対話 ai」とは?
というところから、
- 対話と会話の違い
- 質問応答システムとの違い
- 対話システムの具体例
などについてまとめました
また、対話aiが、ヒトの意図を反映した返答するための方法論についてもサクッと紹介しました。
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